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映画「愛を歌う花」が素晴らしすぎて震える!2度目の鑑賞行ってきた/その2

前回のページからの続きです。

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ちなみにこの映画、英語タイトルが「Love Lies」といういうのもいいよね。

 

「愛を歌う花」入荷!今なら初月無料【ビデオマーケット】 

 

●この映画を製作するにあたり、音楽・美術・衣装担当の皆さんは当時の様子を細かくリサーチされたでしょうが、特にストーリーを牽引する【音楽】についてはこのインタビュー動画が参考に。「イ・ナヨンは当時のアイコン、100人に1人の逸材」by音楽監督


【Kstyle】ハン・ヒョジュ&チョン・ウヒ主演映画「愛を歌う花」 メイキング映像解禁

 

わたしねー、1回目の鑑賞後にこのインタビューをみて「あれ?映画の中のイ・ナヨン先生と同じ名前だな」なんて寝ぼけたこと思ってて、すぐにピンときてないところがあったのですが、暫くして「そうか!当時の実在歌手をそのまま映画のキャラクターで登場させてたんだ!!」と気付いたのでした。我ながら鈍すぎる(笑;)

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映画の中でイ・ナヨンを演じたのはミュージカル女優のチャ・ジヨンさん(右)そして当時のイ・ナヨンさんはこんなかんじの方だったそう。ちなみにチャ・ジヨンさんがこのシーンで歌っていたのはイ・ナヨンさんのヒット曲「木浦の涙」

↓探してみたら原曲見つけ!


이난영 - 목포의 눈물 (1935)

 

2度目の鑑賞で気付いたんだけど、子供時代のヨニとソユルが最初に出会うシーンも、話題はイ・ナヨンさんのことだったんだよね。「木浦の涙」を口ずさみながらたらい桶で洗濯しているヨニにソユルが近付いて「イ・ナヨン先生が好きなのね!」って。そのくらい、当時誰もが知る憧れの歌手がイ・ナヨンさんだったということが伝わるシーン。インタビューで音楽監督は「”春のお嬢さん”が(イ・ナヨンさんの)一番の代表曲ですね」とも話してるんだけど、調べてみたらこの”春のお嬢さん”という曲って、ヨニとソユルが2人で歌った↓このシーンの歌ではないですか! 

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そして探してみたらこれも当時の原曲と思われるものが埋もれてました!なんかすごいね、色々感激・・・


[흘러간 옛노래] 봄아가씨 이난영

 

ユヌがくれた招待状でソユルとヨニも出かけた、運命のイ・ナヨン先生の庭先公演会。このシーンね^^

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OSTのトラックリストから調べてみたところ、このときに歌っていた歌は「ようこそ」というタイトルの歌。youtubeでチャ・ジヨンさんver.はすぐに見つかったけど、原曲が見つけられず。これもいい歌なので原曲聞いてみたいなー


어서오세요 (해어화OST, 차지연)

 

●ストーリーを通じてこの映画があぶり出しているのは人間の欲望、中でも【嫉妬】の感情なんだけど、いつも韓国映画の参考にしているサイトさんがこの映画のことをを「愛をとるか、友情をとるか、夢をとるかみたいな話」と紹介していらしたので、そのイメージをもってして鑑賞してみたら、個人的にはそれとまた少し違うかなという見解になりました。ソユルとしてはむしろどれも捨てたくなくて、中でも「歌いたい!」と心の底から湧き上がる感情=夢だけは譲れない心理が、あの幼稚染みた行動に繋がり、結果愛も友情も夢さえも失っていたというエブリシング結果論かと。

 

●ハン・ヒョジュちゃんは最初の顔合わせで監督から「この映画は『モーツァルトとモーツァルト』の話だ」と説明を受けたんだそうです!(下記インタビュー記事参照)『モーツァルトとサリエリ』ではないってところがミソで、これ伝わる人には伝わるんじゃないかな。合わせてソユルの嫉妬は「愛に対する嫉妬か、才能に対する嫉妬か」という論点を「愛に対する欲望が歌に対する欲望より小さかったとは思わないが、ソユルにとっては歌への情熱は愛の感情と同等だったのではないか」という解釈で演じられたのがあのソユルの姿だということ。

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これは「愛するユヌオッパをとられた」とかそんな単純な話ではなくて、そもそもこの執着に至るまでの起点は「愛するユヌオッパが作った歌をわたしも歌いたい。ユヌオッパが歌で民の心を癒そうとしているように、わたしも朝鮮の心になりたい」とソユルが彼との会話を通して最初に思ったことが出発点。でも自分のそんな気持ちもむなしく、代わりに意図せずともそれをどんどん現実にしていく親友を目の当たりにしていく中で彼女はおかしな方向に向かっていくわけで。

 

●なんといってもあのナチュラル系ハン・ヒョジュちゃんが嫉妬むき出しの女性を演じているという姿そのものが「今までになく新しい!!!」ってかんじで、新境地を開いた彼女の代表作になる予感を上映中終始感じながら観ていました。

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このインタビューの中で、彼女自身も「これまでやってきた役は自然で普通な役が多かった。そんな役は相変わらず好きだけど、一度くらい大胆な演技に挑戦してみたかった」と。そして映画の中では涙を流すシーンがかなり多いんだけど、場面によっては凄まじく泣き叫ぶといった具合で「完成した映画を観て、自分の目にも自分が新しく映った」とのこと。

 

●ちなみにあのヨニが撃たれてソユルが泣き叫ぶシーン、あれが私には一番新しいハン・ヒョジュちゃん体験でした。こんなに叫べる人だったの?ってくらい衝撃的!

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ところでこれは個人的見解だけど、あの叫びは親友を失った悲しみからくる悲痛の叫び半分、でもソユルの感情の中にどこか「私は悪くない!」という主張が含まれている叫びにもとれました。ヨニは打たれる直前ソユルに「あなたが私のすべてを奪ったのだ」と言われるのですが、それに対してきっぱり「いや、全てはあなたが自分で引き起こしたこと!」と断言。親友が残したその最後のメッセージを「違うもん、あなたが悪いんだもん、私はあなたに全てを奪われたんだから!」って一生懸命自分自身に言い訳している内面がそのままあのすさまじい叫びとなった気がしてならない。とにかく刺さるシーン!

 

●ハン・ヒョジュインタビュー記事からもうひとつ。老人に扮した役まで務めるかについては監督と意見が少し食い違っていたんですねー。でも結果的にはハン・ヒョジュちゃんが最後まで務めたのは良かったと思います。「いい歌だったのに、なぜ気付かなかったんだろう」っていうあのセリフを逃したくなかったとのこと、そこかーなるほどー!あの老人の扮装はメイクだけでも5時間かかったそうです、お疲れ様でした。

 

●チョン・ウヒという女優はもともと「器用なタイプ、何をやらせても上手い」という定評のある人なんですが、今回も歌は上手だし、彼女自ら作詞した「朝鮮の心」が、これまたパーフェクトな日本語訳の力と相まって心に染み入る傑作でした。

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조선의 마음 - 천우희, 한효주, 유연석

 

チョン・ウヒ&ハン・ヒョジュ共に、正直あそこまで歌のシーンがあるなんて思わなかったんですけど、ふたりとも相当練習しただろうし、大変だったでしょうね。より多くに人に愛された歌手という役の設定においては、チョン・ウヒちゃんも相当なプレッシャーだったでしょうけど、最終的にはこなしてしまうのですからプロだなと感心します。 

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●もうひとり彼もまたプロ級の腕前でした!ユ・ヨンソクくん。趣味はピアノってよくプロフィールにも書いてあるけど、いやはやその腕前にはすごくびっくり!特にあの日本兵と喧嘩になるアリランのシーンはワンカットで撮ったそうで(映画の中では途中カメラ切り替えが確認できるので複数のカメラを同時に回してたんでしょうけど)彼も映画撮影する数か月前から毎日ピアノを練習して臨んだんだそうです。このシーンはもう目が釘付けでした


해어화 보다가 울컥한 장면...

 

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ちなみにこの映画の中でユヌは「アリランを完成させたい」と言ってましたが、実際のところはアリランの歴史を調べてみると、この時代よりも遥か前から存在してました。映画の設定よりも20年くらい前にあたる1926年に公開された映画「アリラン」がきっかけで大衆に広まった経緯はあるようです。まあ映画の中のユヌが目指してたことは『より大衆化させたアリランの編曲』程度に捉えるといいのかもしれませんね。

 

●この映画に欠かせなかったキャラクターはオクヒョン!娘時代を演じてたのは近年ドラマ「応答せよ1988」の大ヒットですっかりお馴染みの顔となったリュ・ヘヨンちゃんでしたが

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ある日、券番を出ていくオクヒョンと偶然すれ違ったソユルは「誰に何と言われようと、最高の歌手になるのよ」と彼女に声をかけるわけですが、最後は見事に同じセリフが彼女の口から帰ってくるという。

 

●ってかもう、この映画は全体的に運命と時系列の絡ませ方がものすごく上手いのです。卒業と同時に正規デビューとなる『赤傘組』と、仕事がとれれば酒接待くらいはという『青傘組』でソユル&ヨニとオクヒョンの人生にまず分岐点。そして卒業後の初仕事のクライアントが平田清だったソユルや、平田を迎えに行く支度途中で恋人のユヌが迎えに来て、じゃあちょっとだけねと訪ねた先が憧れの歌手「イ・ナヨン」の自宅で、もう戻らなきゃいけないから代わりにと置いていったのがヨニだったり。冷静に考えたら結構映画の最初からもう平田を含めたこの四角関係が始まってたということなんだけど、最終的に現代のシーンでヨニを偽る年老いたソユルの前に同じく年を重ねたオクヒョンがひょっこりやって来てのあのセリフ!鳥肌!!

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でもそこに(オクヒョンに)嫌味はないというのがひとつポイントで、自身も最後まで『青傘組』から卒業できなかった身として、痛いほど「わたしもやりたい!歌いたい!」という心の底から湧き上がる感情・情熱を理解できるからこそ、そこまでしても自分の願望にすがるソユルに、当時自分を励ましてくれたセリフをもってして「頑張るのよ」というとエールを込めた楽屋訪問だったのではないかと感じます。 

 

●それからこの憲兵役の方は日本人俳優・武田裕光(タケダヒロミツ)さん!

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このところあちこちの映画にひっぱりだこで、2015~2016年はこの「愛を歌う花」以外にもチェ・ミンシクさんと大杉漣さんが共演した映画「隻眼の虎」にキム・ギドク監督の「ストップ」、以前パク・ジョンミンくんの話題でちらっと書いたドンジュ」に、ソン・ガンホ × コン・ユ主演の「密偵」など、これから日本で公開されていくであろう映画で度々見かけることになると思います。

m.cine21.com

彼の特徴はなんといっても日本人役で起用されること。結構映画でもドラマでも、韓国の役者さんがたどたどしい日本語で頑張って日本人役をやってる場面って沢山見かけてきたと思うんですが、こういう国際的に活躍する日本の役者さんが出てくると今後は日本人役にハラハラ(もしくはイライラ?笑)せずに済むケースが増えてくるかも。

parksungwoong.tistory.com

ちなみにこの記事↑によると、今あちらでは日本統治時代が映画化されるケースが増えているとのこと。この映画をはじめ、「隻眼の虎」しかり「トンジュ」しかり、みんな日本統治下時代が背景なんですが、そういった流れもあって彼が次々と起用されていく後押しになっているようです。

 

以上、長いながい映画鑑賞メモになりましたが、個人的にはすごく良作!と思う映画なのに、本国の興行成績でいうと残念ながら大コケの作品でした。同時期に公開された映画「時間離脱者」(このページに動画リンクあり)にかなり押されてしまいwww 悲運を描いた映画が、公開のタイミング的にも悲運を抱え込んでしまったという笑えないオチですが、良作な映画は時を超えて語り継がれるもの。10年後30年後50年後でも、響く人には響く映画だと思いますので、興味があればぜひ沢山の方に観てほしいなと思います。